作品紹介

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「橘」 2023.3  New!

「古事記」では非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)という不老不死の木の実として記される橘(たちばな)の果実。着物や家紋の古典的なデザインとしてよく使われます。当家の家紋ということもあり刺繍で表現してみました。

 

「シーサー」 2022.3  

沖縄の二体の石像シーサーがモチーフです。北斎漫画に続いてジャケットの背中にとのご注文をいただき 背景に家紋を配したデザインにしました。

 

バルビエ「移り気な鳥」 2021.7  

20世紀初頭パリのアールデコのイラストレーター、ジョルジュ・バルビエのファッション・プレートを元に制作しました。図案は「移り気な鳥 (L'Oiseau volage)」(1914)人物絵は前作の北斎漫画で経験済みですが、衣装とアクセサリーは女性の肌と刺繍を生かすため最小限の装飾にしました。

 

「北斎漫画」 2020.12  

葛飾北斎の北斎漫画の図案をモチーフに作成しました。従兄(いとこ)のオーダーでジャケットの背中に付けるというはじめての試みです。選んだのは子供(唐子)が格言を彫ったつくばいをかついでいるというユニークなもの。一番苦労したのは着物の色柄と人物の肌でした。服に付けて着た時重くならないようシンプルさも心がけました。すべてに挑戦でしたが新境地がひらけたと思います。

 

「Image2020」 2020.07

 

フランスの金銀細工の人間国宝ロラン・ダラスプのチューリップグラスをモチーフに作成しました。久しぶりに原点回帰?ゴールドとシルバーの素材はリュネビル刺繍の王道ですが、同一作品に使用するにはバランスを考える必要がありました。

 

「鷲」   2019.10 

 

歌川広重の浮世絵をモチーフに作成しました。今回も和風テイストで色合わせには気を遣いましたがそこが楽しみでもあります。鳥の羽や爪には効果的な素材を用い右上の夜空はジャパン・ブルーのグラデーションを意識してみました。


「春告鳥」 2018.09


よくある”梅にウグイス”のモチーフを選んだのは、日本画のたらし込みの技法をリュネビル刺繍で表現できないかと思ったからです。紙を湿らせ絵の具をにじませて木の幹の質感を出すことを、スパンコールのグラデーションで行うのは一つの挑戦でした。そのためどの材料を使うか考える時間がとても長かったのが印象に残っています。


「牡丹」Pivoines 2017.11    


春先から始めたのですが夏場に「パリの刺繍学校」の出版のため中断、秋から冬にかけてやっと完成しました。牡丹の花びらには果物のパッケージに敷いてある吸水シートを使いました。背景の菱形は和風テイストをねらったものの色使いに悩み、終わってみれば水色と深紅を両サイドの黒が引き締めてくれたかと思います。列ごとの数を決めて留めると、ビーズの素材自体にばらつきがあるためいびつになってしまいます。数にこだわらずスペースを埋めるつもりで刺すと自然と菱形が出来ました。